働きながら資格を取りたい、スキルを身につけて転職したい――そんな「学び直し(リスキリング)」を後押しするのが、雇用保険の「教育訓練給付金」です。対象の講座を受けて修了すると、支払った受講料の一部が戻ってくる制度です。
この記事では、教育訓練給付金の3つの種類・給付率・対象になる人・申請の流れを、厚生労働省やハローワークの公式情報をもとにわかりやすく整理しました。
この記事でわかること
- 教育訓練給付金の概要と対象になる人
- 一般・特定一般・専門実践の3種類の違いと給付率
- どんな講座が対象になるか(対象講座の探し方)
- 申請の流れと必要書類
- よくある質問(FAQ)
まず結論
教育訓練給付金は、雇用保険の被保険者(または離職後一定期間内の方)が、厚生労働大臣の指定する講座を受講・修了した場合に、受講料の一部が支給される制度です。講座の種類によって給付率が異なります。
| 種類 | 給付率(受講料に対して) | 上限の目安 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 40%(要件を満たすと最大50%) | 20万〜25万円 |
| 専門実践教育訓練 | 50%(要件を満たすと最大70〜80%) | 年間40万〜64万円ほか |
給付率と上限は制度改正で変わることがあり、2024年(令和6年)10月には拡充が行われています(2026年時点)。実際の金額は個別の条件によって異なります。
対象になる人
教育訓練給付金の対象になるのは、次のような方です。
1. 雇用保険の被保険者
会社などに雇用され、雇用保険に加入している方で、加入期間が一定以上ある場合が対象です。目安として、一般・特定一般では雇用保険の加入期間が通算1年以上、専門実践では通算2年以上(いずれも初めて利用する場合の目安)とされています。
2. 離職して一定期間内の方
会社を辞めた方でも、離職日の翌日から受講開始日までが原則1年以内であれば対象になる場合があります。妊娠・出産・育児・病気などの理由があるときは、この期間が延長される特例もあります。
加入期間の数え方や2回目以降の利用要件は細かく定められているため、自分が対象になるかは受講前にハローワークで確認しておくと安心です。
3種類の違いをやさしく整理
教育訓練給付金は、講座の性格に応じて3種類に分かれています。
一般教育訓練給付金
比較的幅広い講座が対象で、給付率は受講料の20%(上限10万円)です。英語・簿記・ITなど、キャリアアップにつながる講座が中心です。
特定一般教育訓練給付金
「速やかな再就職・キャリア形成に効果が高い」とされる講座が対象で、給付率は受講料の40%(上限20万円)。資格取得などをして、修了後1年以内に雇用保険の被保険者として就職するなどの要件を満たすと、50%(上限25万円)に上がる場合があります。
専門実践教育訓練給付金
看護師・保育士・介護福祉士などの国家資格や、専門的・実践的な講座が対象で、給付が最も手厚い区分です。受講中は原則6か月ごとに受講料の50%(年間上限40万円)が支給され、資格取得等をして修了後1年以内に就職すると70%(年間上限56万円)に、さらに修了後の賃金が一定以上上がった場合には80%(年間上限64万円)まで支給される場合があります(2024年10月拡充後・2026年時点)。
対象講座の探し方
どの講座が給付の対象かは、厚生労働大臣が指定しています。対象講座は「教育訓練給付制度 検索システム(教育訓練講座検索システム)」で調べられます。
- 資格名・分野・地域などから対象講座を検索できます
- 同じ資格スクールでも、講座によって対象・対象外が分かれることがあります
- 申し込み前に「この講座は教育訓練給付の対象か」「どの区分か」を必ず確認しましょう
申請の流れ
ステップ1:受講前の手続き(区分による)
特定一般・専門実践では、受講開始の原則1か月前までに、ハローワークで「訓練前キャリアコンサルティング」を受け、受給資格の確認(ジョブ・カードの作成など)を行う必要があります。一般教育訓練は、この事前手続きは原則不要です。
ステップ2:講座を受講・修了する
指定講座を受講し、所定の出席率や修了要件を満たします。
ステップ3:受講修了後にハローワークへ申請する
修了後、受講料の領収書や修了証明書などを添えて、原則として住所を管轄するハローワークに支給申請します。申請には期限(修了日の翌日から原則1か月以内など)があるため、早めに手続きしましょう。
ステップ4:審査・支給
ハローワークの審査を経て、指定口座に給付金が振り込まれます。専門実践では、受講中に複数回に分けて支給されるのが一般的です。
注意点
- 給付率・上限額は制度改正で変わることがあります(2024年10月に拡充・2026年時点)
- 講座によって対象区分が異なり、対象外の講座もあります
- 特定一般・専門実践は受講前の手続き(キャリアコンサルティングなど)が必要です
- 申請には期限があり、過ぎると受け取れない場合があります
- 過去に給付を受けたことがある場合、次に利用できるまでの期間などの要件があります
- 教育訓練支援給付金など、関連する別の給付とは仕組みが異なります
- 個別の判断は、受講前にハローワークにご確認ください
よくある質問(FAQ)
Q1. 在職中でも受け取れますか? A. 雇用保険に加入し、加入期間などの要件を満たしていれば、在職中でも対象になる場合があります。
Q2. 受講する前に何か手続きは必要ですか? A. 一般教育訓練は事前手続きは原則不要ですが、特定一般・専門実践は受講開始前にハローワークでの手続き(キャリアコンサルティング等)が必要とされています。
Q3. どの講座が対象か、どうやって調べますか? A. 「教育訓練講座検索システム」で、資格名や分野から対象講座を検索できます。申し込み前に対象かどうかを確認しましょう。
Q4. 受講料の全額が戻りますか? A. 全額ではなく、区分に応じた割合(20〜最大80%)が上限の範囲で支給されます。実際の金額は個別に計算されます。
Q5. 会社を辞めた後でも申請できますか? A. 離職後、受講開始まで原則1年以内などの要件を満たせば対象になる場合があります。出産・育児・病気などで期間延長の特例もあります。
まとめ
- 教育訓練給付金は、指定講座を受けた雇用保険加入者などへの給付
- 一般20%・特定一般40%(最大50%)・専門実践50%(最大80%)と区分で異なる
- 対象講座は「教育訓練講座検索システム」で確認できる
- 特定一般・専門実践は受講前の手続きが必要
- 最新情報は厚生労働省「教育訓練給付制度」やハローワークの公式案内で必ずご確認ください
学び直しを考えているときは、まず受けたい講座が給付の対象かを確認し、必要な事前手続きがないかをハローワークでチェックしてから申し込むと安心です。
参考資料
最終確認日
最終確認日: 2026-07-10
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